こんにちは、ニャン吉です。
セイウチとトドの違いを教えてくれる?
セイウチとトドは体型が似ている為、少し分かりにくいですよね。
外見では牙が最も見分けやすい部分、しかし水族館には牙がない個体や、幼獣の時には牙がまだ生えていません。そのようなときは顔も見分けるポイントです。
この記事ではセイウチとトドの外見の違いからサイズ、鳴き声、生息域と意外と知られていない泳ぎ方から食生活まで解説していきます。
セイウチとトドの違いを知りたい方は読んでみて下さい。
アシカ、オットセイの違いはココ!結局どっちもアシカじゃない?
セイウチとトドは似ている?
セイウチ | トド |
セイウチとトドはよく見れば分かりますが、パッと見は分かりにくいかもしれません。
理由はいくつか考えられます。
- 幼少期は牙がまだ生えていない
- 牙がない子もいる
- 色が似ている
- ずんぐりむっくりの体型
- サイズ感
セイウチは牙があれば判別しやすいですが、幼少期はまだ生えていません。牙がなければトドと間違えるのも無理はありません。また色が似ている点や体型も似ています。
おそらく成体になった、後ろ姿では多くの人が判別付きづらいと思いますし、セイウチとアシカ科の区別も分かりづらいと感じる人が殆どでしょう。
しかし見分けるポイントを知っておけば誰でも判別することが出来ます。
セイウチとトドの外見の違い
セイウチ | トド |
特徴 | セイウチ | トド |
---|---|---|
牙 | オス・メスともに長く、太い牙がある | 牙はない |
顔の形 | 幅広く、平坦で、全体的に丸い印象 | 細長く、額がはっきりとした形状をしている |
鼻 | 丸くて広い鼻 | 細長く、突き出た鼻 |
毛の色 | 薄い茶色または灰色 | 暗褐色または茶色 |
ヒゲ | 非常に太くて長いヒゲが特徴的 | ヒゲは短く、目立たない |
耳 | 耳介はない | 小さな耳介がある |
皮膚 | 厚く、シワが多い | 比較的滑らか |
セイウチとトドを見分けるポイントとして、牙、顔の形、鼻です。
セイウチは長くて太い牙が特徴的で、顔は幅広く平坦、丸い印象があり、鼻は丸くて広いです。
一方トドは牙がなく、顔は細長く、額がはっきりしており鼻も細長く突き出ています。
これらの特徴に注目すると、セイウチとトドを簡単に見分けることができます。
牙があれば判別は誰でもできます、しかし水族館でも牙がない個体も存在しますのでそのようなときは
- セイウチ=マナティ、ジュゴン系の顔
- トド=アシカ、イヌ系、熊系の顔
と考えればイメージしやすいかもしれません。
セイウチはマナティとジュゴンなど海牛目の顔の印象に似ていますし、トドはアシカの大型種ですので、アシカのような顔であればトドで間違いないでしょう。
その他は毛色やひげ、耳は細かい違いはありますが、パッと見の印象は皮膚が一番わかりやすいと思います。
セイウチとトドの学術的な違い
セイウチ | トド |
分類項目 | セイウチ (Odobenus rosmarus) | トド (Eumetopias jubatus) |
---|---|---|
ドメイン | 真核生物 (Eukaryota) | 真核生物 (Eukaryota) |
界 | 動物界 (Animalia) | 動物界 (Animalia) |
門 | 脊索動物門 (Chordata) | 脊索動物門 (Chordata) |
亜門 | 脊椎動物亜門 (Vertebrata) | 脊椎動物亜門 (Vertebrata) |
綱 | 哺乳綱 (Mammalia) | 哺乳綱 (Mammalia) |
目 | 食肉目 (Carnivora) | 食肉目 (Carnivora) |
亜目 | イヌ型亜目 (Caniformia) | イヌ型亜目 (Caniformia) |
下目 | クマ下目 (Arctoidea) | クマ下目 (Arctoidea) |
科 | セイウチ科 (Odobenidae) | アシカ科 (Otariidae) |
属 | セイウチ属 (Odobenus) | トド属 (Eumetopias) |
種 | セイウチ (O. rosmarus) | トド (E. jubatus) |
学名 | Odobenus rosmarus (Linnaeus, 1758) | Eumetopias jubatus (Schreber, 1776) |
シノニム | Phoca rosmarus Linnaeus, 1758 | Phoca jubata Schreber, 1776 |
和名 | セイウチ | トド |
英名 | Walrus | Northern sea lion, Steller sea lion |
セイウチとトドは、広義では「仲間」と言える存在。
両者は「食肉目」に属しており、さらに「イヌ型亜目」と「クマ下目」に分類されるため、共通の進化的祖先を持っています。
またどちらも「鰭脚類」に含まれており、これは水中生活に適応した哺乳類のグループです。
セイウチとトドは「鰭脚類(ききゃくるい)」の仲間であり、分類学的に近縁の関係にあります。ただし、科レベルでは異なるため、厳密には同じ「仲間」とは言い難い部分もあります。
セイウチは「セイウチ科」に属し、トドは「アシカ科」に属しています。したがって、共通点は多いものの、科レベルでの違いから「近縁種」と言うことができるでしょう。
セイウチの仲間は現在セイウチ一種の為いません。
トドの仲間はアシカ科に属する、アシカ属、オタリア属、オットセイ等が挙げられます。
セイウチとトドのサイズの違い
セイウチ | トド |
特徴 | セイウチ | トド |
---|---|---|
オスの平均体長 | 約3.0m/最大3.5m | 約3.2m/最大3.3m |
メスの平均体長 | 約2.5m | 約2.0~2.4m |
オスの平均体重 | 900~1,200kg | 300~1,000kg |
メスの体重 | 600kg | 240~350キログラム |
牙の長さ | 最大約1メートル | トドには牙がない |
皮の厚さ | 2~5cm | 2cm前後 |
幼獣 | 体長1m前後/60kg前後 | 体長1m前後/20kg前後 |
セイウチとトドの大きさは個体にもよりますが殆ど変わりません。
セイウチの牙は最大1mほどにもあり、雄雌ともに生えてきます。サイズ以外で異なるのは皮の分厚さ、一般的にはセイウチの方が分厚く硬いのが特徴です。
どちらも鰭脚類では最大クラスの大きさであり、天敵はシャチやホッキョクグマの2種しかいません。
セイウチの子供は捕食される可能性はありますが、成獣はホッキョクグマでさえも手強い相手であり、襲われるのは稀と言われています。
セイウチとトドの鳴き声の違い
特徴 | セイウチ | トド |
---|---|---|
音の種類 | ブーブー音、ホーンのような低音 ガーガー音、口笛のような高音 |
吠えるような咆哮、ブンブン音 「アーアー」音 |
鳴き声の多様性 | 非常に多様で、低音から高音まで幅広い | 主に低音の咆哮や吠える音 |
主な用途 | 繁殖期のオスのアピール、縄張り争い 母子間のコミュニケーション |
縄張り争い、群れ内のコミュニケーション |
繁殖期の特徴 | オスが特有の共鳴する鳴き声を発する | オスが咆哮を使ってメスや縄張りを守る |
群れでの使用 | 主に母子間で使用 | 群れの他個体とのコミュニケーションに使用 |
セイウチとアシカはどちらも知能が高く、水族館でも数多くのショーを披露してくれますが、鳴き声に関してはセイウチの方が多彩です。
低音から高音まで使い分けができるのと、ショーでは口笛なども披露してくれます。
海獣ショーは全国各地で行われていますので、ショーを目当てに水族館に赴いてみて下さい。
セイウチとトドのの生息地と分布の違いは?
セイウチ | トド |
特徴 | セイウチ | トド |
---|---|---|
主な生息地 | 北極海周辺、特にカナダ グリーンランド、ロシアの沿岸 |
北太平洋沿岸、特にアラスカ カムチャツカ半島、日本沿岸 |
気候条件 | 寒冷な極地、氷が多い環境 | 寒冷から温帯の沿岸地域、氷が少ない環境 |
生息範囲 | 北緯65度以北の極地地域 | 北緯30度から北緯65度までの北太平洋沿岸地域 |
繁殖地 | 浅瀬や砂地の氷の上 | アラスカ沿岸、ロシア沿岸の岩場や砂浜 |
移動パターン | 季節的に短距離の移動を行うが、氷が必要なため大きく移動しない | 季節的に長距離の移動を行うことがあり、繁殖期には特定の地域に集まる |
セイウチは主に北極海周辺、特にカナダ、グリーンランド、ロシアの沿岸地域に生息しており、寒冷な極地の氷が多い環境を好みます。
これに対してトドは、北太平洋沿岸の広範囲に分布し、特にアラスカ、カムチャツカ半島、日本沿岸など、氷が少ない寒冷から温帯の沿岸地域に生息。
セイウチは主に浅瀬や砂地の氷の上を繁殖地とします。彼らは氷に依存しているため、季節的には短距離の移動を行いますが、大規模な移動は少ないと言われています。
一方、トドは北太平洋沿岸に生息し、繁殖地は主に岩場や砂浜であり、長距離の移動を行うこともあります。
セイウチとトドの寿命の違い
特徴 | セイウチ | トド |
---|---|---|
平均寿命 | 野生で約20〜30年 | 野生で約20〜25年 |
飼育下の寿命 | 最大約40年 | 最大約30年以上 |
一般的に、セイウチとトドの寿命は大きな違いはなく、どちらも20〜30年程度が平均です。ただし、飼育下での条件が整えば、どちらももう少し長生きする可能性があります。
両者ともに、寒冷な地域に適応した海洋哺乳類ですが、環境への適応や天敵からの脅威が寿命に与える影響は異なります。
セイウチはその大きな体で捕食者からある程度身を守ることができますが、トドは繁殖期における闘争やシャチの脅威が寿命に与える影響が大きいです。
アメリカの「シーワールド・オーランド」で飼育されていたセイウチが40年以上生きた記録や、トドも30年以上生きた記録が複数あります。
セイウチとトドの泳ぎと食生活の違い
セイウチ | トド |
特徴 | セイウチ | トド |
---|---|---|
泳ぎのスタイル | ゆっくりとした、力強い泳ぎ | 素早く、敏捷な泳ぎ |
移動方法 | 前肢を使って体を推進させ、後肢で方向を調整する | 前肢の大きなヒレを使って水中を滑るように泳ぐ |
スピード | 遅めで安定した速度(約7 km/h) | 比較的速い速度(最大約40 km/hに達することもある) |
耐久性 | 長時間泳ぐことが得意 | スプリントのような短時間の速い泳ぎが得意 |
潜水能力 | 長時間の潜水が可能で、30分以上の潜水もできる | 比較的短時間の潜水が多く、浅い水域で活動する傾向 |
使う筋肉 | 主に前肢の筋肉を使って泳ぐ | 前肢と後肢の筋肉をバランス良く使用 |
食料 | 貝類、甲殻類、底生生物 | 魚類、軟体動物(イカ、タコなど) |
セイウチとトドの泳ぎは大きく違い、トドの方が泳ぎが得意と言えるでしょう。
大きく異なる理由は食生活の違いです。
セイウチは底生生物(貝類、甲殻類)を主食としている為、潜水能力に長けており、一方トドは魚類やイカ、タコ類主食としている為、獲物を捕らえるために素早く泳ぐ必要があります。
セイウチの牙は海底を掘り起こすための役目も果たしています。
セイウチとトドの違いまとめ
セイウチとトドの違いは細かい点を見れば大きく違います。
日本全国では海獣ショーは数多く行われています。水族館でのショーでセイウチとトドの違いも見つけてみて下さい。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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