こんにちは、ニャン吉です。
イルカって天敵はいるの?
イルカは成体になれば自然界では殆ど天敵はいません。
もちろん可能性がある生物はいますが、人間ほどの脅威はないでしょう。
この記事ではイルカに天敵がいない理由から、可能性がある生物、人間がイルカにとって最大の天敵、具体的な天敵に襲われない知能の高さまで解説していきます。
イルカに天敵はいるの?
成体には殆ど天敵はいない
イルカは成体になると殆ど天敵はいないとされています。
子イルカや病気・負傷した個体は、捕食者に狙われるリスクがありますが、成体のイルカは天敵から身を守る手段を多く持っています。
成体になると天敵がいなくなる理由は
- 高い知能や能力
- 集団行動
- 戦術的な行動
イルカは海洋哺乳類の中でも特に高い知能を持ち、さまざまな方法で危険を回避します。例えば、イルカはコミュニケーション能力が非常に発達しており、エコロケーション(超音波)を使って仲間と連絡を取り合います。
これにより、危険を早期に察知し、迅速に対応することができます。
またイルカは通常、群れで行動します。例えば、シャチが現れた際には、浅瀬に逃げ込むことでシャチの接近を防ぎ、攻撃される前に天敵に向かって威嚇行動をとることもあります。
成体のイルカは知能や集団行動、速い泳ぎなどの能力を駆使して天敵から身を守っていますが、それでも完全に無敵ではないため、あえて天敵となりうる生物を挙げていきましょう。
自然界のイルカの天敵
天敵になり得るマイルカ類
自然界でイルカの天敵になる可能性が一番高い生物は、同様の知能持つマイルカ類です。
- シャチ
- オキゴンドウ
などがイルカを捕食する可能性が高いとされています。
シャチは海洋の食物連鎖の頂点として知られており、他のイルカや小型のクジラ、アザラシ、魚類、鳥類までさまざまな生物を捕食します。
シャチの食性は地域ごとに異なり、特定の地域では他のイルカを主な獲物とする群れも存在します。
オキゴンドウも、群れで行動し、深海での狩りが得意なクジラ目のマイルカの一種です。彼らは主にイカや魚を食べますが、他のイルカを捕食することもあります。
オキゴンドウは長時間にわたる追跡が可能で、他のイルカを疲弊させた後に捕らえることがあります。
天敵になるサメ類
サメ類で可能性があるとすれば
- ホホジロザメ
- イタチザメ
ホホジロザメは映画の影響もあり、どう猛なイメージが強いですが、若いイルカや病気・負傷したイルカでない限り可能性は低いと考えられています。
理由はサメは本能に基づいた行動と鋭い感覚器官を駆使して生きており、知能の面では遠くイルカに及ばないからです。
サメはシャチなどの違い、個体の間で協力して狩りを行うことはほとんどなく、単独で狩りを行うことが多いとされています。
自然界ではシャチの方が生態圏の頂点であり、イルカの成体がサメに襲われる可能性として限りなく低いでしょう。
カワイルカにも天敵はいない
淡水のカワイルカにも天敵は殆どいないとされています。
若いイルカや病気・負傷したイルカはワニや肉食系の魚類に襲われる可能性もあるとされていますが、成体になれば考えられません。
淡水にイルカほどの知能を持った生物はいないからです。
近年アマゾン川流域でカワイルカ2匹が、アナコンダで遊んでいる映像が撮影され話題になりました。
イルカの最大の天敵は結局人間
食用にも利用されている
国・地域 | 具体的な場所 |
---|---|
グリーンランド | ヌーク、シシミュートなど |
日本 | 和歌山県太地町など |
フェロー諸島 | フェロー諸島全域 |
ペルー | 沿岸地域、アマゾン川流域 |
ソロモン諸島 | ソロモン諸島の一部 |
イルカが食料として捕獲される地域も数多くあります。一番の漁獲量としてはグリーンランド、次いで日本となるようです。
日本でも販売していますが、実際食べたことがある人は少なく、一部の地域で利用されているだけであり、厚生労働省としてはイルカ肉に含まれる水銀のリスクについて注意喚起を行っています。
しかし各国の統計数が正しいとは限りません。カワイルカの場合、中国や先住民族など未開の土地では統計も何もありませんので、実際はもっと数多くのイルカが食用として利用されているのは確かでしょう。
水産庁の統計データ
https://www.jfa.maff.go.jp/j/whale/attach/pdf/research-51.pdf
飼育利用
捕獲されたイルカ類は殆どが食用利用されますが、水族館やイルカショーなどのために販売されることもあります。
日本ではあまり話題になりませんが、海外では動物愛護団体から反発が強くなっています。
水族館に行けば当たり前のように、イルカやジンベイザメなどが見られます、しかし海外の水族館では多くの非難を呼び、展示を取りやめるところもあるくらいです。
マグロ網にかかることもある
マグロ漁では、巻き網(パースセイン)と呼ばれる漁法が広く使われています。
この方法では、巨大な網を海に広げ、マグロの群れを取り囲んで捕獲します。しかし、この網にイルカが誤って巻き込まれることがあるようです。
特にキハダマグロはイルカと一緒に泳ぐ習性があり、イルカの存在がマグロの位置を示す目印として漁師に利用され、イルカがマグロと一緒に網にかかるリスクが高まります。
ソナーや音波で海に打ちあがることも
軍事演習や海洋探査で使用される高出力ソナーが原因ともされています。
2000年3月、バハマ諸島での米海軍の演習中に、約16頭のクジラが座礁し、そのうち7頭が死亡しました。
この事件は、ソナーの使用と座礁の関連性が指摘された代表的なケースです。
原因不明の打ち上げも多数ありますが、人為的な原因も数多く報告されています。
人間が絶滅させたイルカ
種名 | 学名 | 生息地 | 絶滅の原因 |
---|---|---|---|
長江白イルカ(バイジ) | Lipotes vexillifer | 中国の長江 | 環境破壊、水質汚染、漁業活動、ダム建設 |
バイジは淡水に生息する、長江固有の種です。
長い嘴と小さな背びれが特徴的で、視力が非常に弱く、主にエコーロケーションに頼って生活したイルカです。
2006年、国際的な調査チームが長江での大規模な調査を実施しましたが、バイジを確認することが出来ず、バイジは「機能的に絶滅」と宣言されました。
長江白イルカの絶滅は、環境破壊と人間活動が直接的に影響を及ぼした悲劇的な事例です。
現在の所は中国のバイジが人類が絶滅させたとされる意表的なイルカですが、他の種類のイルカも絶滅の危機に瀕しており、時間の問題とされています。
種名 | 学名 | 生息地 | 絶滅の危機の原因 |
---|---|---|---|
ヴァキータ(コガシラネズミイルカ) | Phocoena sinus | メキシコのカリフォルニア湾 | 違法漁業、漁網による誤捕獲 |
マウイイルカ | Cephalorhynchus hectori maui | ニュージーランド北島の西海岸 | 漁網による誤捕獲、沿岸開発、水質汚染 |
インダスカワイルカ | Platanista gangetica minor | インダス川(パキスタン) | ダム建設、水質汚染、漁業活動 |
ガンジスカワイルカ | Platanista gangetica gangetica | ガンジス川、ブラマプトラ川 | ダム建設、水質汚染、漁業活動 |
アマゾンカワイルカ | Inia geoffrensis | アマゾン川流域 | ダム建設、水質汚染、漁業活動 |
イルカが天敵に襲われない理由
具体的な頭脳の高さ
イルカは知能が高いとは知ってはいるものの。具体的な内容を知らない人も多いかもしれません。
研究結果において実証されたイルカの知能の高さを見てみましょう。
事例 | 説明 | 研究者・出典 |
---|---|---|
自己認識能力 | イルカは鏡に映った自分の姿を認識し、体に付けられたマークを調べることができる。 | ドルフ・バイアマル、ルイス・ハーマン |
符号化された言語の理解 | 約40の手話符号を理解し、指示に従って複雑な行動を行う。 | ルイス・ハーマン |
数字の理解と計算 | 数を認識し、基本的な加減算を行う能力がある。 | カレン・プライア |
道具の使用 | 海綿を使って海底を掘り、獲物を探す。 | ジャネット・マン |
社会的学習と模倣 | 他のイルカの行動を観察して学習し、模倣する能力がある。 | リチャード・コナー、ジャネット・マン |
署名笛の使用 | 署名笛(シグネチャーホイッスル)を使って個体識別とコミュニケーションを行う。 | ヴィンセント・ジャンキン、スティーブン・スミス |
連続行動の理解 | 複数の指示を記憶し、正しい順序で実行する能力がある。 | ルイス・ハーマン |
道具の製作と使用 | 海藻を使って遊んだり、狩りに利用したりする。 | ジャネット・マン |
人間との協力 | 人間の指示を理解し、協力して魚を追い込むなどの作業を行う。 | リチャード・コナー |
知能が高いのは霊長類ではチンパンジー。陸と海では比較できませんが、チンパンジーと同等かそれに近い知能を持っているとされています。
天敵になりうるマイルカ類以外の生物はこのような知能を持ち合わせていません。
動物 | EQ(脳化指数) | 脳の重量(kg) |
---|---|---|
人間 | 約7.5 | 約1.3〜1.4 |
チンパンジー | 約2.5〜3.5 | 約0.4〜0.5 |
イルカ | 約4〜5 | 約1.6 |
シャチ | 約2.5〜3 | 約5.6 |
サメ | 約0.6 | 約0.08 |
イヌ | 約1.2 | 約0.07〜0.1 |
ネコ | 約1.0 | 約0.03〜0.04 |
※EQ=動物の脳の大きさを体重に対して相対的に評価する指標。
高いEQを持つ動物は、一般的に高い知能を持つとされています。
EQは知能の一つの指標であり、脳の大きさが必ずしも知能の全てを決定するわけではありませんが、脳の構造やニューロンの密度、特定の脳領域の発達度などが知能に影響を与える要素です。
サメであればかなりの知能の差があるため、よほどのことがない限り考えにくいとされる証拠ともいえるでしょう。
また仮に人間が地球上に存在しておらず、イルカが音波を使う能力を基盤に進化すると、人間以上の高等生物になっていたのかもしれません。
イルカの天敵まとめ
イルカは成体になると殆ど天敵はいません。地球上の中でも高い知能と能力を持っており、天敵では捕獲できないことも理由でしょう。
イルカの生態はすべて解明されているわけではありませんので、最新の研究結果なども参照してみて下さい。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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