こんにちは、ニャン吉です。
アシカとオットセイの違いを教えてくれる?
アザラシやトドは見分けが付くけど、アシカとオットセイの違いが分からない・・・。そんな疑問はありませんか?
簡単に判別する方法は外見では体毛の長さ、耳、体型、その他は鳴き声が大きく異なります。
この記事ではアシカとオットセイの外見の違いから、鳴き声、生息地、食べ物まで比較して解説していきます。
アシカとオットセイの違いが知りたい方は読んでみて下さい。
アシカとオットセイはなぜ似ているの?
アシカとオットセイはなぜ似ているのか?
答えは簡単で同じ仲間の「アシカ科」だからです。
生物学上もアシカとオットセイは殆ど一緒であり、見分けが付かないのも致し方ありません。
分類 | アシカ | オットセイ |
---|---|---|
ドメイン | 真核生物 (Eukaryota) | 真核生物 (Eukaryota) |
界 | 動物界 (Animalia) | 動物界 (Animalia) |
門 | 脊索動物門 (Chordata) | 脊索動物門 (Chordata) |
亜門 | 脊椎動物亜門 (Vertebrata) | 脊椎動物亜門 (Vertebrata) |
綱 | 哺乳綱 (Mammalia) | 哺乳綱 (Mammalia) |
目 | 食肉目 (Carnivora) | ネコ目(食肉目)(Carnivora) |
亜目 | イヌ亜目 (Caniformia) | イヌ亜目 (Caniformia) |
下目 | 鰭脚下目 (Pinnipedia) | 鰭脚下目 (Pinnipedia) |
科 | アシカ科 (Otariidae) | アシカ科 (Otariidae) |
亜科 | アシカ亜科 (Otariinae) | オットセイ亜科 (Arctocephalinae) |
学名 | Otariinae (Gray, 1825) | Arctocephalinae (Gray, 1837) |
和名 | アシカ | オットセイ |
英名 | Sea lion | Fur seal |
- アシカ=アシカ科のアシカ亜科
- オットセイ=アシカ科のオットセイ亜科
2種ともアシカ科は同一であり、亜科でアシカ亜科、オットセイ亜科と分けられます。
身近な動物で例えるとすれば「柴犬」と「秋田犬」のような違いであり、ひとくくりにしてしまえば「犬」であると同様に、アシカとオットセイも同じアシカです。
見た目に関する違いから、アシカとオットセイの細かい違いも見ていきましょう。
アシカとオットセイの外見の違い
アシカ | オットセイ |
比較 | アシカ | オットセイ |
---|---|---|
体毛の特徴 | 短くつるつるした毛 | 長くふさふさした毛で覆われている |
耳の形状 | 小さくて目立たない耳介 | 大きく目立つ、細長い耳介 |
前ヒレの形状 | 大きく、陸上で歩く際に使用 | やや長く、泳ぐ際に効率的に使用 |
後ヒレの形状 | 前後に動かすことができ、歩行に使用 | 動きは限られているが、スリムで整っている |
目の特徴 | 大きく、明るい場所でもはっきり開いている | ややくぼんで見えることがあり、脂肪で保護されている |
アシカとオットセイの外見の違いで一番分かりやすいのは体毛の長さです。
パッと見の印象でつるんっとした外見であればアシカで間違いないでしょう。
体毛がやや長い種は存在しますがオットセイほど長くてふさふさした種はいません。水中から出たばかりであっても、オットセイは口元や首周りに体毛があることが分かります。
アシカ | オットセイ |
耳の形状はオットセイの方がやや長いのが特徴、しかし水族館に通いなれている人でなければ、並べてみないと分からないでしょう。
ヒレも同様に比較してみないと判別は尽きません。若干オットセイの方がアシカより後ヒレが小さくきれいに揃っています。
また目も若干異なります、アシカは比較的大きく明るい場所でもはっきりと開いており、一方オットセイの目も大きいですが、アシカよりも目がくぼんで見えることもあります。
アシカとオットセイのサイズと違い
アシカ | オットセイ |
比較項目 | アシカ | オットセイ |
---|---|---|
体長(オス) | 2.0~3.0メートル | 1.5~2.5メートル |
体長(メス) | 1.8~2.4メートル | 1.2~1.8メートル |
体重(オス) | 300~400キログラム以上 | 100~200キログラム |
体重(メス) | 100~150キログラム | 30~60キログラム |
※種によって異なります。
アシカとオットセイのサイズは全般的にアシカの方が大きく体重も重いです。
年齢によって判別は付きにくいですが、見た目の印象は異なります。
- アシカ=流線型でスリム
- オットセイ=小柄で筋肉質、がっしりとした体つき
またアシカとオットセイ共通で性差が顕著で合わられるのも特徴です。
成長の過程や種によってもサイズに違いが見られ、これが彼らの生態や生存戦略に深く関連しています。
アシカとオットセイの鳴き声やコミュニケーションの違い
アシカ | オットセイ |
引用元:海遊館 | 引用元:JLog Channels様 |
※オットセイ22秒~
比較項目 | アシカ | オットセイ |
---|---|---|
鳴き声の特徴 | 大きくて吠えるような鳴き声。長く響くような音。 | 高音で、鳴き声は短く、ちょっぴり控えめ |
擬音 | 「ウォーウォー」「ガォー」 | 「キューキュー」「キャンキャン」 |
アシカの鳴き声は非常に大きく、低くて力強い音が特徴的です。これは特に繁殖期にオス同士が縄張りを主張したり、他のオスを威嚇したりする際に使われます。
アシカの鳴き声は長く響くことが多く、遠くまでその音が届くため、群れ内でのコミュニケーションにも役立っています。
オットセイの鳴き声はアシカに比べて高音で、短く鋭い音が特徴です。
主にメスや子供とのコミュニケーションに使用され、親しみやすい音色で他の個体と意思疎通を図ります。
繁殖期にはオスがメスに対してアピールする際や、他のオスとの軽い争いにおいても鳴き声が使われますが、アシカのような大きな吠え声ではなく、より控えめな印象の音です。
同じアシカ科でなぜこのような違いがあるかは繁殖期の行動の違いや、生息地が由来していると考えられています。
アシカとオットセイの生息地と分布の違い
比較項目 | アシカ | オットセイ |
---|---|---|
繁殖期のハーレム形成 | 大規模なハーレムを形成(オス1頭に対して複数のメス) | 小規模なハーレムまたはペア形成(オス1頭に対して少数のメス) |
オス同士の競争 | 非常に激しい競争が行われ、鳴き声や身体的威嚇が多用される | 競争はあるが、アシカほど激しくなく、鳴き声は控えめ |
メスとの関係 | 繁殖期にはオスが積極的にメスを守り、子供も保護する | メスとの関係はオスに依存せず、メス自身が子供を守ることが多い |
生息地域の特徴 | 温暖な海域に広範囲で分布し、繁殖地も広範囲にわたることが多い | 寒冷地や南半球の限られた海域に分布し、繁殖地は比較的狭い範囲に限定 |
環境への適応 | 温暖な気候に適応し、広い範囲で食料を探すため、遠くまで届く鳴き声が進化 | 寒冷地に適応し、鳴き声は近距離のコミュニケーションに特化 |
鳴き声の進化的背景 | 広範囲でのコミュニケーションやオス同士の競争に適応するために進化 | 近距離でのメスや子供とのコミュニケーションに適応して進化 |
生息地のコミュニケーション | 鳴き声が広範囲に届くことで、離れた場所にいる個体ともコミュニケーションが可能 | 寒冷な環境で音がよく伝わるため、控えめな声でも十分なコミュニケーションが可能 |
同じアシカ科であっても鳴き声が異なる理由は、繁殖期の行動と生息地が深くかかわっています。
一般的にアシカは大きなハーレムを形成することが多く、オス同士の競争が非常に激しくなります。
このため、鳴き声は他のオスを威嚇し、自分の縄張りを主張するための重要な手段です。
また、アシカの生息地はオットセイよりも広範囲にわたっており、群れの中での行動にも大きな鳴き声が役立つと考えられます。
一方、オットセイにもオス同士の競争がありますが、アシカほど大規模ではありません。
オットセイの生息地は寒冷地や南半球の限られた地域であり、寒冷な環境では音がよく伝わるため、控えめな鳴き声でも十分に機能します。
このように、繁殖行動に伴う競争の激しさと生息地域の違いが、アシカとオットセイの鳴き声の違いを生み出しているのでしょう。
アシカとオットセイの寿命の違い
比較項目 | アシカ | オットセイ |
---|---|---|
自然下の寿命 | 20年~25年 | 15年~20年 |
飼育下の寿命 | 30年~40年以上 | 25年~30年以上 |
寿命に影響する要因 | 温暖な気候、安定した食料供給 | 寒冷地の厳しい環境、食料の不安定さ、 |
アシカの寿命は通常20年から30年程度であり、特に飼育下では30年以上生きることもあります。
野生では、天敵や食料の不足、環境変化などの要因により、寿命がやや短くなることもありますが、それでも一般的に20~25年の寿命が見られます。
一方、オットセイの寿命はアシカよりもやや短く、通常は15年から25年程度です。
オットセイも飼育下では寿命が延びることがあり、30年以上生きる個体も報告されています。野生では20年以下で命を落とす個体が多く、厳しい環境条件が寿命に影響しているのでしょう。
水族館や飼育下では厳重な健康管理が行われるため、アシカやオットセイに関しては自然下より寿命が長くなる傾向があります。
アシカとオットセイの泳ぎの違い
比較項目 | アシカ | オットセイ |
---|---|---|
スピード | 時速20~30 km | 時速20~35 km |
泳ぎの特徴 | 安定した速度で長距離を泳ぐ | 短距離での素早い動きや方向転換が得意 |
得意なこと | 波の上をサーフィンするような遊び | 氷の間をすり抜けるような敏捷な動き |
アシカとオットセイの泳ぎのスピードは殆ど変わらないと言われていますが、若干オットセイの方が早い傾向があるようです。
生息地の範囲から見ても、広範囲に広がるアシカは長距離が得意で泳ぎも安定しており、波の上をサーフフィンしている姿も目撃されています。
オットセイは生息地が限定されており、短距離で素早い方向転換や機敏な動きが特徴です。短距離走が得意なオットセイと、長距離走が得意なアシカと言えるでしょう。
アシカとオットセイの食べ物の違い
比較項目 | アシカ | オットセイ |
---|---|---|
主な食べ物 | 魚類、イカ、タコ | 魚類、イカ、エビ、ペンギンや他の海鳥 |
狩猟スタイル | 群れで協力して魚の群れを追い詰めることが多い | 単独または小規模な群れで狩りを行い、寒冷地で効率的にエネルギーを消費する |
食性の柔軟性 | 魚類を中心とした比較的安定した食生活を持つ | 魚類に加え、寒冷地ではペンギンや他の海鳥も捕食する柔軟な食性を持つ |
アシカは主に温暖な沿岸部で豊富な魚類やイカ、タコを食べ、比較的安定した食生活を送ります。
一方、オットセイは寒冷地に生息しており、時にはペンギンや他の海鳥を捕食するなど、食料供給が不安定な環境に適応した柔軟な食性を持っています。
オットセイは寒冷地に生息するヒョウアザラシなどに襲われることもあるようです。
アシカとオットセイの違いまとめ
日本の水族館ではアシカ、オットセイともに数多く飼育されています。看板の種類を見る前に自身で当ててみるのも良いかもしれません。
水族館のショーでも外観の特徴や声なども気にしてみれば水族館がさらに楽しめるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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