こんにちは、ニャン吉です。
ラブカが観れる水族館を教えてくれる?
古代の深海サメ「ラブカ」は深海生物の中でも人気があります。
結論として生きたラブカを展示している水族館は現在のところありません。しかし展示記録は多く残っている為、捕獲されれば一般公開される可能性はあります。
この記事ではラブカの飼育がされていた水族館から、最も観られる可能性が高い水族館、標本の展示がある場所まで解説していきます。
生きたラブカの展示記録がある水族館
引用元:沼津港深海水族館
水族館名 | 所在地 | 展示種類 | 最後の展示年 |
---|---|---|---|
沼津港深海水族館 | 静岡県 | 生体展示 | 2021年 |
鴨川シーワールド | 千葉県 | 生体展示 | 2017年 |
八景島シーパラダイス | 神奈川県 | 生体展示 | 2020年 |
串本海中公園水族館 | 和歌山県 | 生体展示 | 2020年 |
新江ノ島水族館 |
神奈川県 | 生体展示 | 2008年 |
アクアマリンふくしま | 福島県 | 胎仔展示 | 2019年 |
東海大学海洋科学博物館 | 静岡県 | 胎仔展示 | 2018年 |
マリンワールド海の中道 | 福岡県 | 標本展示 | 2019年 |
ラブカ成体の展示記録がある水族館は5か所。
最も多い飼育記録を持つのは沼津港深海水族館、動画も何本かUPされていますので、チェックしてみて下さい。
串本海中公園水族館は熊野灘(くまのなだ)で発見された珍しいケースで、アクアマリンふくしまは東海大学海洋科学博物館と「ラブカ研究プロジェクト」を立ち上げており、ラブカの人口保育も行っていた記録があります。
ラブカ胎仔の特別展示がされていたこともあり、人工保育技術確立のため現在もプロジェクトは進行中です。
論文をご覧になりたい方はこちら↓(理化学研究所リリース)
過去の研究結果をご覧になりたい方はこちら↓
生きたラブカが観れる可能性が高い水族館
生きたラブカが観れる可能性が高い水族館は3か所。
- 沼津港深海水族館(駿河湾)
- 新江ノ島水族館(相模湾)
- 八景島シーパラダイス(相模湾)
日本でもラブカの生息地として知られる場所は、相模湾と駿河湾。
3か所の水族館は湾または漁港から比較的近く、漁業の網にかかった際に搬送しやすいからです。
特に沼津港深海水族館は深海生物を主に扱っている水族館であり、最新は2021年、以前は2012/2013/2017年にも展示されていた記録があり、最有力候補は沼津港深海水族館でしょう。
通常ラブカは水族館の設備であっても、数時間または一晩で死んでしまいます。
ラブカの飼育は不可能?
飼育の問題点
ラブカの飼育にはいくつかの問題点があります。
- 水圧への適応
- 肝臓の機能障害
- 混獲によるストレス
ラブカを含む深海サメは、自然界では高い水圧の環境に適応して生息しています。この水圧は、彼らの生体機能に重要で、特に肝臓などの内臓器官の正常な機能に影響を及ぼします。
水圧が低い環境において、深海サメの肝臓は正常に機能しない可能性があり、展示後すぐに死んでしまうという事例ばかりです。
また深海サメは漁業によって混獲されることがあり、この過程での急激な環境変化や物理的なストレスが健康に悪影響を与えることが多いです。このストレスは、特に水族館への輸送中に弱った個体に致命的になり得ます。
つまり漁港近くの水族館であれば、生体展示の可能性があるとも言えますが、長期間は深海の水圧を再現する水槽でない限り不可能に近いということです。
人工飼育の最長記録
生体の展示記録の期間は公表されていませんが、東海大学海洋科学博物館×アクアマリンふくしまの共同開発の胎仔(卵の状態)飼育記録は361日とされています。
胎児に限らず長期間の人工保育は他に例がなく、今後も技術確立のため研究中です。
ラブカの生体が水族館で当たり前に観られる日が来るかもしれません。
生体の展示は沼津港深海水族館の一週間と言う記録が残されています。
ラブカの標本が展示してある場所
水族館名 | 所在地 |
---|---|
アクアマリンふくしま | 福島県いわき市 |
鴨川シーワールド | 千葉県鴨川市 |
新江ノ島水族館 | 神奈川県藤沢市 |
深海水ミュージアム | 静岡県焼津市 |
戸田造船郷土資料博物館・駿河湾深海生物館 | 静岡県沼津市 |
東海大学海洋科学博物館※ | 静岡県静岡市 |
※東海大学海洋科学博物館は執筆時は休館となっています、最新情報を参照して下さい。
ラブカの標本を観る重要なポイントは3点。
- 歯の構造
- 鰓の形状
- 体形と皮膚
ラブカの歯は非常に特徴的で、細かく並んだ多数の小さな三尖歯があります。これらの歯の形状は獲物を捕らえるのに適しており、他のサメと比較して独特です。
首周りに連なる鰓裂もポイント、これらは襟状になっています。
ラブカは長く細い体形をしており、皮膚は滑らかで光沢があり、外観は他のサメと異なり、深海生物特有の適応を示しています。
他のサメとの違いを探すのも面白いかもしれません。
ラブカを釣るには?
ラブカを釣るには以下のポイントで釣り上げられた記録があります。
- 相模湾/敦賀湾
- 和歌山県串本町有田太地町沖
相模湾/敦賀湾は日本有数のラブカ捕獲海域です。主に漁業で捕獲されることが多く、釣り上げたという情報はありませんでした。
沖でラブカを狙うのであれば、2か所の湾が最も確率が高いでしょう。
2つ目は2020年、和歌山県串本町有田太地沖で、水深550mアコウダイを狙っていたところ、ラブカが釣れたという情報がありました。
串本海中公園水族館に生体展示された個体で、熊野灘でラブカが確認されたのは30年ぶりだったとの記録が残されています。
狙って釣ることはかなり難しい種であることは間違いありません。深海魚釣りに興味がある方はラブカ捕獲を試みて下さい。
しかし学術的に貴重なサメの為食べるのではなく、近くの水族館に連絡をおすすめします。
ラブカは恐竜時代から生息していた?
ラブカは、その原始的な特徴から「生きている化石」とも呼ばれ、非常に古い時代から存在している古代サメです。
現代のラブカは、少なくともジュラ紀後期(約1億5000万年前)に起源を持つと推定されており、この時期は恐竜が地球上で支配していた時代に相当します。
さらにラブカは白亜紀後期(約9500万年前)にも存在していたことが化石記録から明らかになっています。
同年代の古代のサメとして。
サメの種類 | 学名 | 概要 | 生息時代 |
---|---|---|---|
ヒボドゥス | Hybodus | ジュラ紀から白亜紀にかけて生息。耐久性のある歯を持ち、多様な食性に適応。 | ジュラ紀〜白亜紀 |
クリトキサス | Cretoxyrhina | 白亜紀に生息した大型の肉食性サメ。別名「ギンスー・シャーク」。鋭い歯を持つ。 | 白亜紀 |
スクアラコラクス | Squalicorax | 白亜紀に広く分布。別名「カラスサメ」。中型で多様な獲物を捕食。 | 白亜紀 |
いずれすべて種は現代では絶滅しています。
ラブカのような種が長期間にわたって生存してきたことは、生物進化の観点から見ても非常に興味深く、研究の対象となっています。
ラブカが観れる水族館まとめ
深海の謎の古代サメ「ラブカ」解明できていない生態も多く、人々の興味を引いてやみません。
生きたラブカの展示をしている水族館は現在ありませんが、標本や剝製は水族館に展示されています。
ラブカが気になった方は水族館に赴いて実物を観察してみましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント
初めて知りました
ぜひ 5歳の孫とともに正体を観たいと思います。
水族館に行くことはあっても なかなか展示してある標本や目を引く正体ばかりに意識が行ってしまい、水族館の全部を感じたり楽しんだりしてこなかった自分をかえりみて勿体無いことをして来た事に気づきました
水族館だけでなく、様々な施設に行く時には今日の気付きを心に留めて訪れたいと思いました。
コメントありがとうございます。
ラブカは映画「シン・ゴジラ」のモデルにされたと言われています。水族館、映画鑑賞とお孫様とご一緒に楽しんでいただければ幸いです。
心温まるコメントありがとうございました。