こんにちは、ニャン吉です。
クリオネの生息地を教えてくれる?
クリオネは北極海や北太平洋に広く分布していると考えられていますが、種によって異なる場合があります。
現在学名が付けられているのは4種で、近年日本の固有種も見つかったため、生息地は重複する種もありますが殆どバラバラです。
この記事ではクリオネの生息地と種による特徴まで、現在発見されているクリオネ5種を解説していきます。
クリオネの生息地について知りたい方は読んでみて下さい。
クリオネの飼育は出来ないって本当?流氷の天使を冷蔵庫で観賞しよう
クリオネは種類によって生息域が違う?
クリオネは現在4種に正式名称が付けられています。
ハダカカメガイ(Clione elegantissima)
- 和名: ハダカカメガイ
- 英名: Clione elegantissima
- 英名略: クリオネ エレガンティッシマ
ダイオウハダカカメガイ(Clione limacina)
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- 和名: ダイオウハダカカメガイ
- 英名: Clione limacina
- 英名略: クリオネ リマキナ
ナンキョクハダカカメガイ(Clione antarctica)
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- 和名: ナンキョクハダカカメガイ
- 英名: Clione antarctica
- 英名略: クリオネ アンタークティカ
ダルマハダカカメガイ(Clione okhotensis)
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- 和名: ダルマハダカカメガイ
- 英名: Clione okhotensis
- 英名略: クリオネ オホーテンシス
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日本でよく知られるのはハダカカメガイ(クリオネ エレガンティッシマ)です。
それぞれ生息地や生態は異なる場合があります。
クリオネ(ハダカカメガイ)の生息地と生態
北極海、北太平洋の寒流域
クリオネ=ハダカカメガイ(Clione elegantissima)は、北極海や北太平洋の寒流域に広く分布しています。
具体的には、表層0mから600mまでの水深に生息し、特に表層(200m以浅)を中心に分布しています。日本では北海道沿岸の海域で一年中見られることがあります。
深海エリアでも見つかっており、クリオネは深海魚でもあるというのは意外と知られていません。
日本では一般的なクリオネ
日本ではクリオネ(ハダカカメガイ)が最もメジャーな種であり、腹足綱裸殻翼足類に属する貝です。
由来はギリシア神話の文芸の女神クレイオー(Κλειώ, ラテン語形 Clio)からきています。
特徴としては、巻貝の仲間ですが、成長すると貝殻を失います。これは裸殻翼足類の共通で、バッカルコーン(buccal cone、口円錐)という6本の触手も特徴的です。
体は透明な部分が多く、内臓が不透明で前半に集中しています。
胴体の前部には透明な翼足があり、これを動かして遊泳します。この姿から「流氷の天使」や「氷の妖精」、英語では「sea angel」と呼ばれます。
クリオネ(ダイオウハダカカメガイ)の生息地や生態
北極海、北太平洋の寒流域
クリオネ(ダイオウハダカカメガイ)は北極海と北大西洋に広く分布しており、クリオネ(ハダカカメガイ)同一の生息域とされています。
北太平洋ではアラスカ湾、ビューホート海までは生息を確認されています。
最南端はサルガッソー海まで南下する範囲で見られ、水深500メートル以上の深さまで生息しています。
世界最大サイズ
ダイオウハダカカメガイは、他のハダカカメガイ類に比べて大きく、最大で約7~8.5cmに達することがあります。
200年以上にわたり、ハダカカメガイと混同されてきましたが、遺伝的な分析により区別できることが明らかになりました。
この種のラテン語名「limacina」は、ナメクジ(limax)の女性属格から来ており、「ナメクジのような」という意味を持っています。
クリオネ(ナンキョクハダカカメガイ)の生息地や生態
南極水域に生息する
クリオネ・アンタークティカは南極クリオネとも呼ばれ、南極の極水域、すなわち南半球の最も寒冷な海域に生息します。
正確な生息する水深域は明らかにされていません。
南極クリオネ
南極クリオネは体長1~3 cm、主な餌はLimacina antarctica(ナンキョクウミマイマイ)海蝶の一種とされています。
体重の最大5%まで脂質を貯蔵する能力があり、これにより約6ヶ月間、餌がなくても生存可能。
プテロエノンという新しい化学物質を合成し、捕食者から身を守る。”プテロエノン” は、南極クリオネが合成する特定の化学物質の名称です。
南極クリオネが捕食者から身を守るための魚抑止剤(魚を阻止する化学物質)として機能するようです。
プテロエノンは、これまで知られていなかった新しい種類の分子であり、南極クリオネが捕食者に対して使用する防御機構の一部として注目されています。
クリオネ(ダルマハダカカメガイ)の生息地や生態
オホーツク海
クリオネ(ダルマハダカカメガイ)はオホーツク海に生息しており、分布域は他のハダカカメガイ類と重なることもあります。
西太平洋の千島・カムチャツカ海溝地域でも確認されています。
水深は水面下0.3~1.5mで発見されることが多いようです。
最も小さなクリオネ
クリオネ オホテンシスは、以前はダイオウハダカカメガイの幼体と間違えられることがありましたが、現在は独自の種として認識されています。
最大8mmと他のクリオネ種に比べてかなり小さい種と知られています。
成体が多くの幼体の特徴を保持するため、多形性があると考えられ、半透明の体に、明るいオレンジがかった赤の内臓塊が特徴です。
頬錐体と捕食用の鉤を持つ歯舌がありますが、頬面錐体は他の種よりも小さく、捕食行動にはあまり利用されません。
クリオネは日本にも生息地がある?
富山湾深海で新種が発見
2016年8月、富山大学大学院の教授らが児童向けの海洋教室を開催中、富山湾の水深700mでプランクトン捕獲中に発見されました。
水深約250mから1,050m、水温2度以下の帯域に生息していることが確認されています。体長は最大でも約5mmと非常に小さく、体形は楕円形です。
遺伝子解析の結果、2017年に世界で5種目の新種であることが確認され、富山湾を中心とした日本海の固有種であり、以前は北海道沿岸のオホーツク海が生息域の南限とされていましたが、分布が拡大されました。
正式な学名や和名はまだ決定されておらず、決定後に魚津水族館(富山県魚津市)や蘭越町貝の館(北海道蘭越町)で公開される予定です。
クリオネの生息地が危ない?
海の酸性化で絶滅の危機
海洋酸性化は、大気中の二酸化炭素濃度の上昇に伴い、海水がより酸性に傾く現象です。
これにより、クリオネの餌となる翼足類や他の海洋生物が貝殻を形成するのが難しくなる場合があり、クリオネの主な餌であるミジンウキマイマイの減少も危惧されています。
また地球温暖化により海水温が上昇すると、クリオネが好む冷たい水域の分布が変化し、北極や南極などの極地域では、海氷の減少が生態系に影響を及ぼしています。
クリオネはどこで観られる?
クリオネが観られる水族館
クリオネは水族館では人気物ですので全国各地の水族館で観ることが出来ます。具体的な水族館として以下のような水族館が挙げられます。
- すすきの市場水族館(北海道札幌市)
- 旭川水族館(北海道旭川市)
- 小樽水族館(北海道小樽市)
- 函館市熱帯植物園(北海道函館市)
- 釧路市動物園(北海道釧路市)
- 魚津水族館(富山県魚津市)
- 能登水族館(石川県七尾市)
- サンシャイン水族館(東京都)
- アクアワールド大洗水族館(茨城県)
- 八景島シーパラダイス(神奈川県)
- 新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)
- すみだ水族館(東京都墨田区)
- 名古屋港水族館(愛知県名古屋市)
- 鳥羽水族館(三重県鳥羽市)
- 海遊館(大阪市)
- 京都水族館(京都市)
- 兵庫県立淡路島公園 あわじ花さじき(淡路市)
- 須磨海浜水族園(神戸市)
上記の水族館以外でも展示しておる水族館はたくさんあります。ただし、展示状況は常に変動しているため、訪問前に各水族館の公式サイトや問い合わせ先で最新の情報を確認しましょう。
個人での飼育は困難
クリオネは個人でも購入することが出来ます。ネット通販や稀にスーパーでも陳列されるようです。
しかし個人ではクリオネの餌である、ミジンウキマイマイの入手は不可能に近い為、本来の寿命を生きることが出来ません。
また冷蔵庫で飼育することが一般的であり、個人で飼育するには様々な問題があります。
クリオネは非常に繊細な生物で、水質や温度のわずかな変化にも敏感です。
適切な水質管理や環境の維持が必要であり、これを維持するのは一般的な家庭環境では難しく、専門の研究者や水族館のスタッフによって行われることがクリオネにとっては一番でしょう。
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クリオネ生息地まとめ
クリオネ、海の繊細な天使は、温暖化や環境変化の影響を色濃く受けています。
彼らの生息地を守るためには、私たちの意識と行動が重要です。海洋生態系のバランスを保つため、これら美しい生物の保護は、自然と私たち自身の未来にとって不可欠でしょう。
クリオネが観てみたいという方は水族館に足を運んでみて下さい。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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