こんにちは、ニャン吉です。
ニジマスの種類はどれだけあるの?
ニジマスは自然界に存在する個体や品種改良された種が多い為種類が豊富で、少し分かりにくいですよね。
大きく分けて3種類に分けられ、河川で一生を過ごす種と、サケ同様に降海型の種も存在します。
この記事ではニジマスの種類の分け方から、種による特徴まで全29種のニジマスを解説します。
ニジマスの種類が知りたい方は読んでみて下さい。
ニジマスの種類の分け方
3種類に分けられる
ニジマスは種類が多いことでも知られています。種類を大きく分けるとすると、3種類に分けられます。
- 亜種および近縁種
- 交雑種
- 突然変異種
ニジマスはサケ科サケ属に属する魚で、この属にはニジマスの他にもいくつかの種が含まれますが、近縁種とは特に遺伝的に類似し、かつ生態的または形態的特徴が似ている種を指します。
また近縁種間の交配によって生まれた交雑種も存在します。これらの交雑種は、元の種の特徴を組み合わせ、人工的に繁殖された種です。
突然変異は人工的に交雑種を作り出した際に発生した種を、品種として固定された種であり、主に体色異常や、商業用に利用される種を呼びます。
さらにニジマスには河川残留型と河川遡上型が存在し、生涯を通じて河川系内で生活するニジマスと生活の一部を海で過ごした後、繁殖のために生まれた河川に戻る種類を指します。
ニジマスの種類 亜種および近縁種
ニジマスの亜種および近縁種は4分類されています。まずは分類前の特徴を見てみましょう。
名称 | 特徴 |
---|---|
タイプ亜種 | 種の基準とされる原生域太平洋北西部の亜種。 |
沿岸型 | 降海型(スチールヘッド)、海と淡水の両方の環境を経験。 |
レッドバンド型 | 内陸部の河川や湖に生息、赤い帯が特徴。 |
カーンリバー産ゴールデントラウト | 鮮やかな金色の体色が特徴、カリフォルニア州の高地に生息。 |
メキシコ産 | バハ・カリフォルニア半島と西シエラマドレ山脈に生息、地域により特徴が異なる。 |
タイプ亜種と呼ばれるニジマスが基準であり、沿岸型は降海型、その他はアメリカ産、メキシコ産と分けられています。
アメリカ産の種類が最も多く、環境に適応して独自に進化していったと考えられ、日本では明治10年アメリカカリフォルニア州から移入されたのが始めとされています。
各種類別に見ていきましょう。
※O・M=Oncorhynchus mykiss
種名 | 分布域 | 特記事項 |
---|---|---|
タイプ亜種 | ||
カムチャツカ レインボー トラウト
(O・m / mykiss) |
北西太平洋からカムチャツカ半島、オホーツク海、アムール川河口 | O・m の名義タイプ亜種。 |
沿岸型 |
||
コースタル レインボー トラウト
(O・m / irideus) |
アリューシャン列島から米国カリフォルニア州南部までの太平洋沿岸部 | 降海型はスチールヘッドとして知られる。 |
ビアーズリー トラウト
(O・m / irideus var. beardsleei) |
米国ワシントン州クレセント湖 | 正式な亜種ではなく、湖沼型の変種。 |
レッドバンド型 | ||
コロンビア リバー レッドバンド トラウト
(O・m / gairdneri) |
米国のモンタナ州、ワシントン州、アイダホ州のコロンビア川と支流 | 降海型はレッドバンドスチールヘッド。 |
アサバスカ レインボー トラウト
(O・m / spp.) |
カナダのアルバータ州アサバスカ川水系の水源部 | O. m. gairdneriの一形態と考える学者と、別の亜種と考える学者がいる。 |
マクラウド リバー レッドバンド トラウト
(O・m / stonei) |
ミドルフォールズ滝より上流のマクラウド川とその支流 | |
シープヘブン クリーク レッドバンド トラウト
(O・m / spp.) |
カリフォルニア州、シープヘブンクリーク原産 | |
グレート ベイスン レッドバンド トラウト
(O・m / newberrii) |
オレゴン州南東部、カリフォルニア州の一部、ネバダ州のグレートベースン盆地周辺部原産 | |
イーグル レイク トラウト
(O・m / aquilarum) |
カリフォルニア州イーグルレイク湖に固有 | |
カムループス レインボー トラウト
(O・m / kamloops strain) |
カナダのブリティッシュコロンビア州の大きな湖、特にカムループス湖、クーテナイ湖の原産 | 巨大化することで知られる。 |
カーンリバー産ゴールデントラウト | ||
カルフォルニア・ゴールデン トラウト
(O・m / aguabonita) |
カーン川支流のゴールデントラウトクリーク、その支流ボルケーノクリーク、カーン川南支川原産 | |
カーン リバー レインボー トラウト
(O・m / gilberti) |
カーン川とその支流に固有。かつて広がっていた分布域は著しく減少し、残留した個体群が分かれて生息している。 | |
リトル カーン ゴールデン トラウト
(O・m / whitei) |
リトルカーン川とその支流の160 km範囲に固有で、現在ではカーン川盆地の5か所の水源域と1か所の移入個体群のみ。 | |
メキシコ型 | ||
メキシカン レインボー トラウト
(O・m / nelsoni) |
バハ・カリフォルニア半島と西シエラマドレ山脈の水源域支流各地に生息。 |
亜種や近縁種を含めて全14種存在し、おそらくその他の国では独自に進化した個体もいるため、さらに異なった種も存在するでしょう。
代表的なニジマス | カルフォルニアゴールデントラウト |
降海型は大型 | レッドバンド(オレンジに近い帯) |
ニジマスは通常40cm前後、日本の管釣り場では大型になる降海型も放流されており、1mに迫る個体も釣り上げられています。スチールヘッドとも言われサケ科特有の銀化かった色合いです。
ゴールデントラウトはその名の通り特徴的であり、レッドバンド種は日本で言う橙色に近いラインが特徴です。
アメリカのニジマスが放流されている場所はありませんが、管釣り場では時にめずらしいニジマスに出会えることもあるでしょう
ニジマスの種類 交雑種
名称 | 交配内容 | 流通名 | 特記事項 |
---|---|---|---|
信州サーモン | ニジマス四倍体♀とブラウントラウト偽♂の三倍体 | 信州サーモン | 長野県水産試験場により作出。食用のみ使用可能で、釣り場への放流や県外流通は禁止。 |
ロックトラウト/ロックサーモン | ニジマス♀とアメマス偽♂の全雌三倍体 | 魚沼美雪マス | 新潟県内水面水産試験場により作出。「魚沼美雪マス」は新潟県にじます組合の商標登録。 |
富士の介 | ニジマスとキングサーモンの交雑種 | 富士の介 | 山梨県水産技術センターによる作出。地域ブランド化を行っている。 |
ヤシオマス | ニジマスの全雌三倍体 | ヤシオマス | 栃木県内で生産された個体。全雌三倍体はすべて雌である。 |
銀河サーモン | ニジマスの全雌三倍体 | 銀河サーモン | 北海道上川郡上川町の養殖業者による生産。全雌三倍体。 |
笹川マス | ニジマスの全雌三倍体 | 笹川マス | 新潟県村上市の養殖業者による生産。全雌三倍体。 |
アルプスサーモン | ニジマスの全雌三倍体 | アルプスサーモン | 長野県飯田市の養殖業者による生産。全雌三倍体。 |
ニジマスとブラウントラウト両者の良いところを受け継いだ一代雑種をF1と言い、管釣り場で観られるF1と言うのは、ニジマス×ブラウントラウトの種であり、管釣り場での釣りは出来ますが自然界に放流することは禁止されています。
ニジマスの種類 突然変異種
名称 | 特徴 | 用途 |
---|---|---|
アルビノニジマス | メラニン色素欠如、体色が黄色近似 | 観賞用、養殖場での標識魚として利用 |
ホウライマス | 斑紋の無い突然変異、遺伝的に優性 | 遺伝的研究、育種 |
コバルトマス/コバルトニジマス | 脳下垂体中葉の異常によるコバルトブルー体色変化 | 観賞用、大量生産は困難 |
ドナルドソン (大型ニジマス) | 1m以上に育つ、スチールヘッドとの交配育種 | 管理釣り場の人気種、食用 |
ギンヒカリ | 3年で成熟する系統を選抜育種 | 高品質な肉質を保持する食用 |
ハコスチ | スチールヘッド系と箱島系ニジマスの交配育種 | 遊漁用ニジマスとして利用 |
釣り堀では強力な引きや、大きいサイズを短期的に飼育するため様々な改良が各地でされています。
上記の種は突然変異種ではあるものの、品種として認定されている種であり、ニジマスだけでなくコイなども品種改良で有名であり、日本だけでなく世界中で食用として改良、生産がされています。
ニジマスの種類まとめ
ニジマスには多くの種が存在しており、環境に合わせて進化した種や、人が改良して作り上げた種によって、私たち人間の食と釣り業界を支えています。
管釣り場や釣り場で釣れた魚がどんな魚が観てみるの面白いでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参照データ: ISBN 0-7432-2220-2
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