こんにちは、ニャン吉です。
イトウの釣り方を教えてくれるかな?
幻の魚イトウ、現代でも1m以上を狙える日本最大級の魚。
イトウ釣りは北海道がメインとなり、雄大な景観と釣りを同時に楽しめる釣りです。近年では管釣り場でも放流している場所があります。
この記事ではイトウ釣りの時期から注意点、具体的なロッド、ライン、ルアーまで、実績があるイトウ釣りのスポットから時期と場所を分析し、解説していきます。
イトウ釣りについて知りたい方は読んでみて下さい。
イトウとは?
イトウは、北海道の冷たく清らかな水域に生息する、日本固有の淡水魚です。学名は「Parahucho perryi」とされ、世界でも特に大型の淡水魚の一つに数えられます。
その最大の特徴はその驚異的な大きさで、成魚は通常、1メートルを超えることも珍しくなく、中にはそれ以上に成長する個体もいます。
イトウの外見は長くて太い体形、大きな口、そして銀色がかった灰色の体色が特徴です。
イトウは肉食性であり、小魚や昆虫、さらには小型哺乳類までをも食べることが知られており、この強い捕食性が「魚鬼」の名の由来です。
興味深いことに、イトウは降海性を持つ魚でもあります。これは、一部の個体が生活の一時期に海へ下り、そこで一定期間を過ごした後に再び川へ戻る行動を指します。この生態的特性は、イトウが多様な環境に適応していることを示しており、研究者にとって興味深い魚でしょう。
しかし、その人気に反して、イトウは環境の変化や人間活動によってその生息数が減少しており、現在では保護の対象となっています。
イトウの生息地
イトウは、主に北海道、樺太、南千島、およびロシア沿岸地方の清冽で酸素豊富な水域に生息します。
北海道の代表的な河川は、十勝川、釧路川、猿払川、天塩川、等が挙げられます。これらの地域はイトウにとって理想的な環境を提供しており、各地域の河川が特に重要です。
以前は本州の岩手県や青森県の小川原湖などに生息していた記録もありますが、いづれも絶滅してしまいました。
イトウが釣れる時期
季節 | 月 | 釣期の特徴 |
---|---|---|
春 | 3月〜6月 | 活性が高まり、大型のイトウを釣るチャンスも増えます。※ |
夏 | 7月〜9月 | 最も活動的な季節の一つですが、高温時は活動低下。 |
秋 | 10月〜11月 | 大型のイトウが活動的になる季節 |
冬 | 12月 | 活動が低下し釣果は少なくなるが、条件が良ければ釣果の可能性あり。 |
※産卵期は保護目的として釣りは控えて下さい、また地域によっては規制されています。釣行前に最新の情報を確認することが重要です。
イトウが釣れる季節は3月から12月までとされています。
イトウは毎年産卵するわけではありませんが、産卵は3月から5月、寒冷地では産卵期が遅くなる傾向があります。
一般的には5月中旬〜6月中旬と10~11月末頃がイトウ釣りのベストシーズンです。
急流性の河川を好まず、勾配の緩い河川を好み、一部は汽水域や沿岸域で生活し、夏季は上・中流域、冬季は下流域で生活するとされています。
海洋での生活史は未だに解明されていません。
イトウ釣りの注意点
キャッチ&リリースが前提
イトウ釣りでは、種の保護と持続可能な釣りを促進するために、キャッチ&リリースが基本とされています。
またトリプルフックやダブルフックの代わりに、シングルバーブレスフック(かえしのない単一フック)の使用が推奨され、この種のフックはイトウを釣り上げた際に魚に与える傷害を最小限に抑えることができます。
キャッチ&リリースの際には、イトウにできるだけストレスを与えないようにし、写真を取ったらすぐにリリースしましょう。
細かい心配りが、美しいイトウを次世代にも継承し、釣りの楽しみを持続可能な形で享受することができます。
ヒグマに注意
イトウ釣りを楽しむ際、特に北海道などの自然豊かな地域では、ヒグマと遭遇するリスクに注意が必要です。ヒグマは日本最大の陸上哺乳類であり、その行動範囲内での釣りは特別な警戒が求められます。
ヒグマとの遭遇を避けるための対策
- 釣りに出かける際は、常に周囲に注意を払い、ヒグマの存在を意識する。
- 音を出して歩く、ベルやラジオなどを用いて常に音を発することで、自分の存在をヒグマに知らせる。
- 食べ物や魚の匂いがヒグマを引き寄せる可能性があるため、匂いを最小限に抑える。
ヒグマに遭遇した際の対応
- ヒグマに遭遇した場合は、突然の動きや大声を避け、静かに後ずさりする。
- 決してヒグマに接近しないようにし、攻撃的な態度を取らないこと。
- ヒグマが自分に気付いていない場合は、静かにその場を離れる。
事前の準備と知識
- 釣りに行く地域のヒグマの情報を事前に確認し、遭遇するリスクを理解する。
- ヒグマ対策としてのスプレーや応急処置キットを携帯する。
- 地元の指導や規則に従い、ヒグマに関する注意喚起や指示に耳を傾ける。
ヒグマへの適切な対応と準備は、イトウ釣りを安全に楽しむために不可欠です。自然との共存を意識し、野生動物への尊重と理解を持って釣りを行いましょう。
イトウは絶滅危惧種です
カテゴリー | 略称 | 説明 |
---|---|---|
絶滅 | EX | 野生および飼育下の個体が完全に絶滅した状態。 |
野生絶滅 | EW | 野生での個体が絶滅し、飼育下でのみ生存している状態。 |
絶滅寸前 | CR | 絶滅の危険性が非常に高い状態。 |
絶滅危機 | EN | 絶滅の危険性が高い状態。 |
危急 | VU | 生存に危険がある状態。 |
保全対策依存 | LR/cd | 保全対策に依存する状態。 |
準絶滅危惧 | LR/nt | 絶滅危惧とはみなされないが、将来の危険性がある状態。 |
軽度懸念 | LR/lc | 絶滅のおそれが低い状態。 |
イトウは絶滅危惧種に指定されており、国際機関のIUCNではCR、環境省のレッドリストにはENに分類されています。
個体数は年々減少しており、一部地域では、イトウの保護のために特定の時期や方法に制限を設けるなどの釣り規制が実施されています。たとえば、繁殖期に釣りを禁止する、またはキャッチ&リリースのみを許可するなどの措置です。
釣りを完全に禁止すると、違法な釣りが増える恐れもあり、適切な規制と教育を通じて、合法的かつ持続可能な方法での釣りを促進することが、実効性のあるアプローチとされています。
イトウ釣りのタックルは?
ルアーフィッシング
装備 | 詳細 |
---|---|
ロッド | トラウトロッドまたはシーバスロッド8-10フィート |
リール | 中型スピニングリール |
ライン | ナイロン12-16ポンド、またはPE0.8-1.2号 |
リーダー | PEの場合はナイロン20-30ポンド |
ルアー | ミノー7-13cm / スプーン7-30g |
イトウ釣りに適した基本的なルアーフィッシング装備を示しています。
ルアーのサイズや重さは釣る対象となるイトウの大きさや環境に合わせて選ぶことが推奨されます。
正解はありませんが、ボートでない限り、長めのロッドの方が良いでしょう。
釣りキチ三平に登場する、ネズミ系のルアーが朱鞠内湖(しゅまりないこ)でも釣果が出ているようです。
フライフィッシング
装備 | 詳細 |
---|---|
ロッド | フライロッド10番以上のダブルハンド |
リール | フライリール |
ライン | インターミディエイト(タイプ2-4) |
リーダー | -4~-4X |
ショックリーダー | 6-8号 |
フライ | ストリーマー等 |
フライフィッシングで楽しみたい方は上記のような装備が標準とされています。
もちろん場所によって装備は異なりますが、猿払川や天塩川ではストリーマーが定番の装備であり、15-20cmのロングタイプを好んで使用している方もみえます。
カラーはオリーブ系や、ブラック系に実績があり、イトウの餌になっている可能性がある「ウチダザリガニ」も似たような色をしています。
イトウが釣れる有名な生息地
十勝川
北海道に位置する十勝川(とかちがわ)は、北海道中部を流れる重要な河川です。全長約230kmに及び、その流域は十勝地方として知られる広大な平野地帯を潤しています。
この川は北海道で最も長い川の一つとして知られ、またイトウ釣りには欠かせない伝説が残る地であり、幻の2mのイトウは十勝川の千代田堰堤で捕獲されたとされています。
現代であっても1mオーバーは釣り上げることは可能です。
猿払川
猿払川は北海道内で2級河川に指定されており、その源流は上猿払地区です。
この川は山岳地帯や広大な湿原地帯を通り、特有の茶褐色の水色を持ち、緩やかな流速で南北に流れます。
猿払川の中上流域は人の手がほとんど加わっておらず、湿地や立木、熊笹に囲まれながら大きく蛇行し、原始的な自然の美しさが豊かに残されています。
イトウの釣果情報も多く、人気のスポットです。
天塩川
天塩川は、約158kmにわたる横断工作物のない自然な流域環境を持ち、カヌー愛好者にとって人気のある地域です。
毎年、全国から多くのカヌー愛好者が集まり、日本最大規模の「ダウン・ザ・テッシ・オ・ペッ」というカヌーイベントが開催されています。
北海道4大河川で唯一海から200km以上、遡上できる河川であり、魚影自体は薄いとされていますが、餌が豊富にあるため天塩川のイトウは太い傾向があります。
朱鞠内湖
朱鞠内湖(しゅまりないこ)は、日本の北海道にある周囲約40km湖です。この地域は釧路市に位置し、釧路湿原の一部を形成しています。朱鞠内湖は特に、自然の美しさと豊かな生態系で知られており、多くの野鳥や野生動物の生息地となっています。
湖では、特にイトウが有名であり、漁協による管理や増殖事業などが行われています。
大小13もの島々が浮かびそのほとんどがポイントになり、渡船のサービスもあります。寒冷期はワカサギ釣りも楽しむことが出来るでしょう。
近年実績があるイトウが釣れた場所
JGFAを分析
釣り場所 | 釣果数 |
---|---|
北海道釧路川 | 3 |
北海道猿払川 | 20 |
北海道サロベツ川 | 1 |
北海道別寒辺牛川 | 1 |
北海道天塩川 | 1 |
北海道猿骨川 | 1 |
北海道声問川 | 1 |
北海道浜頓別 | 1 |
投稿されている釣果情報の中では圧倒的に猿払川に釣果が集中していました。しかし現在のJGFAのイトウ最大記録は北海道浜頓別で釣り上げられています。
あくまでも統計ですので、一概には言えませんがJGFAの記録だけ見ても猿払川がよく釣れているのが分かります。
大物狙いで実績がある場所を狙うのも良いかもしれません。
実績があるシーズンは?
月 | 釣果数 |
---|---|
04 | 3 |
05 | 3 |
06 | 8 |
07 | 1 |
08 | 0 |
09 | 0 |
10 | 3 |
11 | 4 |
12 | 1 |
5月中旬〜6月中旬と10~11月末頃がイトウ釣りのベストシーズンと、釣果情報はおおよそ重なります。
場所によっては季節がズレる場合もあるようですが、ベストは6月上旬から中旬までと言えるでしょう。
道民ではない限り、気軽に行ける場所ではありませんので、ベストシーズンを狙ってイトウ釣りに出かけてみて下さい。
イトウ釣りの伝説が残る川
イトウ釣りの伝説が残る河川は上記で紹介した、2m15cmの個体が釣り上げられた十勝川。
また1953年にオビラメの会会長の草津清作氏が尻別川で釣り上げた記録は、1m57cmとされています。さらに1986年(昭和61)年12月13日、山下重雄氏によって尻別川で釣り上げられた1m30cmの個体です。
しかし尻別川は、河川改修や森林の伐採、農地拡大等による汚泥の流入、ダムによる川の寸断などにより、尻別川はイトウの自然増殖はほぼ絶望視されており、現在ではメインの釣り場ではない様です。
十勝川は毎年mクラスが現代でも釣り上げられており、令和の時代でも狙えます。
幻の魚「イトウ」を求めて
幻の魚イトウは現在でも1mを超える巨体を釣り上げることが可能です。
しかし場所によっては生態系保護の目的でルールが設けられ、釣り人のマナーが求められます。
北海道の大自然を感じながら釣りをしてみてはいかがでしょう?
最後までお読みいただきありがとうございました。
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